
2005年9月
秋冬に要注意!温度と風の関係

日清丸紅飼料(株)畜産研究所 検査センター 矢原芳博
暑い暑いと思っていたら、もう9月になってしまいました。まだ夏の影響を引きずって食下量や発情が戻らなかったりしている繁殖豚が見られるなかで、子豚の呼吸器病の季節がやってきます。こうして考えてみると、養豚は1年中気候からの悪影響を受けています。夏は暑さの、春秋は季節の変わり目の、冬は寒さの影響に対して、いまだに管理上の決め手を欠いている農場は少なくないと思います。それだけ養豚という産業が、今までは“儲かる”商売だったのかもしれません。「やがて豚価が下がる」と言われて久しくなりますが、少なくともここ数年の豚価の動きは堅調です。生産性のロスが多少あっても、赤字経営にはならずにすむようなレベルにはあったのではないでしょうか。
しかし反面、この間、環境の整備に取り組んできた生産者は着実に利益を上げ、増頭意欲も大きいと聞きます。養豚場の衛生レベルの2極化については時々話題にしていますが、経営状況も2極化になりつつあるのかもしれません。この冬こそは、各農場それぞれの実情に合った冬場の管理を確立し、豚価が良ければきっちり儲け、安くても堅実に利益の取れる成績をあげたいものです。
この秋から冬場にポイントとなるのは、外気温が低下したときの換気の方法です。
秋以降、離乳豚に対しては何らかの加温対策を取る農場がほとんどだと思いますが、加温するということは、その分必要な空気も舎内に送り込まなければならないということです。とくにガスブルーダーの場合、燃焼により生じる二酸化炭素や水分などを舎外に排出するためにも換気をより多くとる必要があります。換気とは、豚舎内に舎外の新鮮な空気を送ることですが、このとき豚舎内には必ず風が起きます。風を全く起こすことなく換気ができれば理想的だと思いますが、そのような換気設備にはいくらかかるか想像もできません。
なぜ風のことを気にするかと言うと、最近、子豚の風に対する抵抗力が極端に弱くなっているような気がするからです。PRRSやサーコウイルスの発症している離乳舎であればその傾向はさらに大きくなります。従来からの豚舎設計のなかで平気だとされてきた舎内の風速でも、毛が伸びてヒネていく子豚が増えていきます。このような豚舎に出くわしたとき、役に立つのは保温箱です。保温箱の効果としては、
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保温箱の内部が風からの逃げ場になる。 |
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保温箱内部だけを保温すれば舎内全体を保温する必要がなく、ひいては豚舎内の必要換気量を減らすことができる(暖房費の節約にもなる)。 |
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子豚に直接当たる風を気にしなくてもいいので換気の風速に気を使う必要がなくなる。 |
等々が考えられます。しかし、既存の離乳ペンに保温箱を設置した場合、設置前の収容頭数と同じ頭数は入れられません。結局、その豚舎全体の収容頭数も20〜30%程度減ることになります。実は飼養密度の減少も、離乳後の呼吸器疾病の軽減に大きな影響を及ぼしているのかもしれません。とりあえず1ペン当たりの収容頭数を減らすところから始めてもいいかもしれません。
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「ピッグジャーナル」(アニマル・メディア社発行)2005年9月号掲載
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