日清丸紅飼料株式会社
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2005年1月
今年のテーマは“母子ともに健康”

日清丸紅飼料(株)畜産研究所 検査センター 矢原芳博

 新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。本誌が届くころの豚肉市況はどうなっているか判りませんが、昨年12月は例年になく高値が持続し、年末のうれしいボーナスとなった農場も少なくなかったと思います。その原因についてしばしば質問を受けたのですが、パッカーの年末需要の手当てが例年より早かったという話もありましたが、やはり出荷頭数の減少が大きな要因だと私は考えています。その出荷頭数の減少の原因は何かと言えば、やはり疾病による育成率の悪化、あるいは出荷日齢の延長がその主因ではないでしょうか(あくまで現場での体験からの私の想像ですが…)。

 昨年の夏は記録破りの暑さで、そのあとにいくつもの台風がやってきて、豚(とくに母豚)にとっては)、ストレスの波状攻撃を受けた格好となり、秋以降の繁殖成績は例年以上に悪い農場が多かったようです。このようなコンディションの下で生まれた子豚たちも離乳後のトラブルを起こすケースが多く、前号で取り上げたように浮腫病をはじめとする腸管疾病、PRRSをベースとした呼吸器症状など、その農場にもともとあった疾病がぶり返すか悪化する傾向が見られます。このように、母豚の状態と子豚の症状は非常に強い関係があるように感じられます。

 離乳舎で事故の多発の真っ最中に母豚のコンディションに注意を払いなさいと言っても、農場の方々はピンとこないことが多いかもしれません。「今、実際に死んでいる離乳舎で何ができるかを聞いているのに?」という反応が普通かもしれません。しかし、母豚のコンディションの悪化が原因で発生している離乳後の事故は、不思議なくらいに離乳舎だけの対応では解決しないのです(私はこの苦い経験をいくつも繰り返してきました。某先生からのサジェスチョンがあって、初めて気づいた着眼点でした)。

 ここで言う「母豚のコンディション」とは、 (1) ボディ・コンディション、 (2) その農場にある疾病の抗体の保有状況、 (3) 設備と母豚頭数のバランス、 (4) 産次構成、 (5) 飼料摂取量、 (6) ミネラルなどの微量成分の充足度等々、多岐に渡りますが、要するに母豚群が健康であるかどうかということです。繁殖成績が落ちているときに母豚の問題を気にするのは当たり前ですが、離乳舎で子豚の事故が問題になっているときにも、母豚のコンディションに問題がないかどうかチェックすることが大事です。

 健康な母豚群こそが、安定した成績を長く継続するための最重要ポイントです。毎年、年の初めにその年のテーマを何となく決めていますが、さしずめ今年のテーマは「母子ともに健康」ということになりそうです。(列島豚病フォーラム)

「ピッグジャーナル」(アニマル・メディア社発行)2005年1月号掲載



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