日清丸紅飼料株式会社
会社案内 事業内容 採用情報 最新情報 HOME
お問合せ本サイトについて個人情報保護方針リンク



2004年4月
ゾッとして、ホッとした豚コレラ事件。
消費者の信頼つなぐためにも撲滅事業の遂行、議論するとき


日清丸紅飼料(株)畜産研究所 検査センター 矢原芳博

 BSEや鳥インフルエンザ等の問題で今年は振り回されっ放しといった印象ですが、ついに豚でも…、というできごとが起きてしまいました。鹿児島県で豚コレラの疑似患畜が見つかったという報道には、本当に暗い気持ちになってしまいました。

 さらに、最終的な事実確認の結果、当該農場では未承認のワクチンが使用されていたと知り、真性の発症でなくて良かったと本当にほっとしました。ほっとしてしばらくしてすぐに疑問になったのは、この農場では、なぜそうまでして未承認の海外製ワクチンを接種する必要があったのか、ということです。ご存知のとおり、豚コレラのワクチンに関しては県知事への届出があれば国産のワクチンが接種可能なはずです。ここ最近、ワクチンの完全中止を目指して、行政が生産者に働きかけを強くしているという話は良く聞きますが、新たなワクチン接種の申請を全く受けつけないということはできないと思います。なのになぜ? 疑問は深まります。

現在の日本製の豚コレラ生ワクチンは、そのワクチン株の性質上、世界的にも最も優れたワクチンであると言われており、今回持ち込まれたとされる外国製のワクチンとは全く異質なものと考えられます。(独)動物衛生研究所は、仮に豚コレラウイルスが豚から分離されても、それが国内産のワクチンであればある程度の識別ができますので、何らかの手違いで国産ワクチンが接種された場合と、野外感染との区別は比較的容易につくはずです。しかし、接種されたのが外国産のワクチンだとすると話は別です。国内産ワクチン株でないウイルス=野外株と判断せざるを得ないのです。それが仮に外国産のワクチン由来であっても未承認のものである以上は、接種豚は淘汰せざるを得ません。このように、海外悪性伝染病扱いの疾病においては、ワクチンの密輸ということは非常に危険な行為です(それ以外の疾病でも未承認ワクチンの密輸はあってはならないことですが…)。

 豚コレラの撲滅事業に関しては、ここ数年、足踏み状態であるのが現状で、「ワクチンを打ちたい人は打てばいい、そうでない人は打たなければいい」という妥協点で、そのまま放って置かれている印象でしたが、生産現場で今回のようなことが進んでいるとすると大変なことだと思います。あらためて界内で豚コレラに対する対応について議論していく必要があるのではないでしょうか。消費者が国産豚肉から離れていかないように、信頼に足り得る業界であるために、このまま放置しておけない問題だと思います。(列島豚病フォーラム)

「ピッグジャーナル」(アニマル・メディア社発行)2004年4月号掲載



Copyright(c)2003 Marubeni Nisshin Feed Co.,Ltd. All Rights Reserved.